館友作家Artist
若尾利貞(1933〜)
岐阜県の重要無形文化財保持者。
独学でやきものに取り組み、琳派の様式美を現代の感性で再構成、昇華させた鼠志野の第一人者として広く知られる。
若い頃、陶磁学者の小山富士夫氏の作陶の手伝いを通じて多くのことを学び、その豊かな知識を作品に昇華させた技術は、氏の中心の仕事である志野や鼠志野以外の作品においても、その道を専門とする作家に拮抗する作品を生み出している。
その博識は作陶家の域を超え、さながら「生きる陶芸辞典」そのままで、当館でも古陶磁の見方などに付いて多くの指導をいただいている。
豊富な知識と卓越した技術は、専門の志野や鼠志野の域にとどまらず、常に新しい分野に挑戦して我々を驚かせる。
当館では、そうした氏の唐津や赤絵、刷毛目、三彩、楽等の作品も高く評価しており、順次公開していく予定。
50代のころの他を圧倒する力強い高台と最近の高台を比較すると、作家の静かな成熟が明瞭に見て取れる。
- 鼠志野群鶴文大皿
- 50.4 × 4.9 cm
- 志野扁壺
- 23.2 × 29.2 cm
- 唐津茶碗
- 13.3 × 8 cm
- 赤絵梅瓶
- 15.1 × 33.5 cm
- 赤志野鉢
- 29.9 × 5.3 cm
- 織部壺
- 22.3 × 26.5 cm
- 鼠志野(梅文)花生
- 15.0 × 27.7 cm
- 深紫志野茶盌
- 13.7 × 10.4 cm
- 志野香炉
- 17.0 × 32.0 cm
- 色絵花文梅瓶
- 16.0 × 31.5 cm / 14.1 × 33.1 cm