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開館一周年に寄せて

お知らせ2020.10.04

 本日(10月4日)、静岡陶芸美術館の開館一周年になります。
 よくある感想で赤面しますが、あっという間の一年でした。少しずつ美術館が認知され、やきもの好きな方の来館が増え始めた途端、新型コロナウイルスの脅威に見舞われ、他県からの団体客様や陶芸愛好家グループの方々などの来館がキャンセルになりました。
またコロナピーク時には断腸の思いで一カ月以上の休館も行い、苦しい時期を過ごしましたが、やきもの好きな方々に日本のやきものの<いま>を展示するという思いだけでコロナ禍を凌いでまいりました。
コロナ禍はいまもって続いていますが、どのような状況になっても世界の頂点にある日本のやきものの<いま>を展示するという思いは職員一同まったく揺るぎありません。
 各位のご支援ご鞭撻を切にお願いする次第です。

 おかげさまで、ご来館いただいたお客様からは、日本の陶芸の <いま> がよく展示されているとか、館内の雰囲気がとても落ち着いている、ゆったりした時間が流れているなど身に余る評価を頂いており、こうした言葉が職員一同の頑張りの源泉になっております。
 また陶芸作家の方々から小さな美術館には分不相応な優品をご寄贈いただき、これまた職員一同の大きな喜びと励みになっております。ご寄贈いただいた作家各位にはこの場で改めて御礼申し上げます。

 変化のスピードが早く激しい現代にあって、日本人のやきものに対する美意識や愛情、親和性などが大きく変化し続けているという感覚を美術館開館以来ずっと感じています。
身近な生活の器から長い時間と多くの先人の苦闘を経て昇華された日本のやきものの美が、日本人の美意識からだんだんに遠のいていくような不安がありますが、私達の小さな営みが陶芸作家諸兄とやきもの愛好家諸氏へのエールになればと願っております。
                                                            令和2年10月4日
                                                     静岡陶芸美術館 館長 植松弘行

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